大好きだったおばが一昨年亡くなりました。
おばは若い頃女優をしていましたが、ちょうど亡くなる少し前にWikipediaに掲載されているのを知り、プリントアウトして家族で見て楽しんでいました。
おばは、松川純子、旧芸名を立川さゆりといい、東映ニューフェイスの9期生に選ばれ、デビュー後は東映で製作された時代劇に出演していました。立川さゆりとして活動していたのもこの時期で、その後東京に帰ってきてからは、本名の松川純子で活動しTVなどにも出演し、私が小さい頃にはTVを見ていると唐突におばが出て来て子供心に嬉しくて、後日そのことを電話で話したりしたものでした。そんなことを思い出しながら、おばが亡くなったことを機にWikipediaを整理しました。
松川純子 – WikiPedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%98%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B9
マルベル堂さんでは松川純子のプロマイドが旧芸名の立川さゆりで未だに販売されています
また、現在でもマルベル堂という、日本で唯一のプロマイド販売店ではおばの若い頃のプロマイドが売られています。(私の思い違いか、他の方の写真も入っている気がするのですが (^^;;)
松川純子(旧芸名:立川さゆり) http://promide.com/page.php?s=1809
余談ですが以前”プロマイド”という言葉を聞き「え、ブロマイドじゃないの?」と思ったことがあるのですが、こちらのマルベル堂さんが発祥なのだとか……。
「ブロマイド」は、写真用印画紙、又はこれを用いた写真のこと。またはマルベル堂などが発行している、タレントなどのコレクション用肖像写真、「プロマイド (Puromaido)」のこと。
ブロマイド (Bromide) は本来の英語で臭化物を指す語だが、臭化銀(シルバー・ブロマイド)を感光剤として用いた印画紙 (Bromide paper) を指す和製英語となった。
ブロマイド – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%89
今でもプロマイドが売られ、たまにTwitterやGoogle検索をすると、話題にしている方がいて、覚えていたり今でも見て頂けることをとてもうれしく思っていました。
おば「松川純子」の写真の撮影者を探して
しかし、先日そのおばの夫である、おじから電話がかかってきて、画像検索すると出てくる写真があまり良くないのでなんとかして欲しい、というのです。仕事が忙しく電話などがいつもビジネスライクなおじが、声を震わせて「あれじゃ、かわいそうだ。」と言い、この写真をWikipediaに掲載して欲しいと依頼がありました。
送られた写真は2枚あり、1枚はこのページトップで使わせて頂いている写真、1枚は新婚当時おじが撮ったという下の写真。
おじが撮った写真も良いのですが、退色・スキャンによるボケがひどいので、もう1枚の写真の著作者を確認することにしました。しかし、手がかりは写真の裏に押された『1975© 東京四谷ムラセ』という文字だけ。
その手がかりを元に探すことにしました。恐らくフォトスタジオではないかと予想し、Googleで検索をするも情報は皆無。現在、四谷にムラセさんという写真館は無いようです。最近のお店、サービスなどはネット上に情報があるので探しやすいのですが、ネット以前の情報というのは探しづらく、現存していないと情報は皆無といっても過言ではありません。
これには、検索を得意とし、以前の職場(IT業界)で上司に検索を頼まれるくらいであった私でもかなり大変でした。TVなどで家族を辿ったり、探したりする番組がありますが、あの方達の大変さがわかりました。
現在の地図を調べてもそのような名前のスタジオが無いので、昭和30年の古地図(https://sites.google.com/site/dejichizu/home/edo)を調べたり、キーワードを変えて検索するなどして行き着いたのが、「四谷二丁目発展会」さんのチラシにあった「七五三まいり 須賀神社 四谷の写真館「ムラセスタジオ」来社」というもの。
これを便りにムラセスタジオさんを探していき、日本肖像写真家協会に行き当たり、関係者ではないかと思われる方に思い切ってお手紙を差し上げたところ、撮影者の「村瀬信彦さん」の息子さんであることが判明。
おば、松川純子を撮影して下さった村瀬信彦さんは、当時「NACプロダクション」さんや、「三木プロダクション」さんなど宣材写真を数多く撮影されていたそうで、おばはどちらのプロダクションにも属していなかったのではないようですが、評判やツテでお撮り頂いたのかもしれません。どうりで、普通の写真館で撮影した写真ではないクオリティだと思いました。(Webのディレクターなんて仕事をしていると、時としてそのようなことにも詳しくなったりします。)
話は変わりますが、日本肖像写真家協会さんは毎年写真展をされていらっしゃり、今度は6月に展示会をされるそうなので、ご興味ある方は、是非展示会などに足を運んでみて下さい。
日本肖像写真家協会 http://jppa.jpn.org/
Wikipediaに写真をアップすると誰でも使い放題になってしまう……。
息子さんからネットへの写真の掲載を許可を頂いたので、早速アップしようとしたところ、Wikipediaに写真をアップすると二次利用可能がデフォルトのため、そもそもWeb業界で暮らしている身として、その辺りはナーバスになってしまい、さすがにそこまでご了承を頂くのは申し訳ないと思い、また、私のブログで掲載し画像を検索画面に出るようにいたしました。
今までのSEOの知識が役に立つと良いのですが……。しかしSEO目的だけではつまらないので、少し読み物風に下次第です。写真から私のブログにたどり着いたり、松川純子、または立川さゆりでたどり着きお読み下さり、ありがとうございました。少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。